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養育費と婚姻費用の分担請求について

養育費について

 親子の関係は、離婚によって解消されるものではなく、親は、子どもが成人するまで扶養する義務があります。
 子どもは親と同じレベルでの生活をする権利があり、親はこれを維持する義務があります。これを生活保持義務といいます。つまり、親の収入が少なくても子どもには十分の生活をさせる必要があるという事です。なお、扶養義務者は、子どもと生活を共にしていない方となります。

1 養育費とされるもの
  • 子どもの生活費
  • 医療費
  • 教育費

※ただし、ピアノなどのお稽古ごとに関しては養育費とは認めない。

2 養育費の平均月額

 平均月額は、およそ4万2千円程度です。(厚生労働省の18年度調査より)
 ※なお、この金額は、ひとりあたりとかではなく、全体の平均月額です。

Ⅰ 養育費の算定方法

算定方法

 2種類の方法で算出します。裁判員らで作る「東京・大阪養育費等研究会」が発表した養育費算定方式と算定表を基準としています。養育費算定方式は、かなり面倒な計算が必要になるため、通常は、「養育費算定表」(東京家庭裁判所HP参照)を用います。

【数値算出】
  • (1) 義務者と権利者の収入を算出します。
  • (2) サラリーマンは、源泉徴収票の「支払金額」。(控除されていない金額)
  • (3) 自営業者は、確定申告書の「課税される所得金額」。
  • (4) 子どもの人数および年齢。

以上を算定表に当てはめて子ども1人あたりの養育費を出します。

【養育費の支払期間 例】
  • (1) 支払い開始時期:権利者が義務者に請求した時。(調停申し立ての日)
  • (2) 支払い終了時期:未成年者が満20歳に達する月まで、満22歳に達した後の3月まで。
【養育費の支払い方法 例】
  • (1) 月額支払いで子どもの口座へ振り込む。
  • (2) 一括支払いで子どもの口座へ振り込む。
  • (3) 一括支払いで信託銀行へ預け、信託銀行が子どもに月額で支払う。

養育費の一括支払いについて

 養育費の性質として、子どもの生活費という観点から、養育費は月額支払いというのが原則です。しかし、将来の養育費の支払い確保は、子どもを育てる側からすると、大きな安心を得る事が出来ます。この辺の事情もあり、養育費の一括払いも、相手の合意さえあれば決断しても良いかと思います。
 ただし、養育費の一括払いの場合、贈与税の対象となる可能性があります。(信託銀行への預け入れは税控除があります)

Ⅱ 養育費の決定方法

  • ① 父母が協議で決めます。(お互いの収入、財産、子どもにかかる額など)
  • ② 協議事項を書面で残す。(離婚協議書※公正証書にするとよい)
  • ③ 協議が整わない場合、家庭裁判所へ調停・審判の申し立てをする。
  • ④ 不成立の場合、訴訟へ。(離婚前)
  • ⑤ 離婚後の調停不成立の場合は、審判で判決。

養育費成立後の効果

  • (1) 調停、審判、訴訟での判決の場合、「履行勧告」「履行命令」「強制執行」。
  • (2) 公正証書離婚協議書の場合、「強制執行」。
  • (3) 口頭、公正証書以外の書面の場合、家庭裁判所へ調停の申し立てをする。

養育費の増額および減額請求

 離婚時に取り決めた養育費額が、将来の諸事情(個人、社会)の変化により、金額の変更も必要と認められた場合、増額および減額、さらには支払期間の延長を申し立てる事が出来ます。

【増額原因例】

 物価上昇・子どもの突発的および長期的な医療費・権利者側の諸事情(失業、倒産など)。

【減額原因例】

 義務者側の事情(失業、倒産、自己破産など)・双方(どちらか)の再婚。

婚姻費用の分担請求

 夫婦は、その資産、収入、その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する義務を負っています。つまり、別居状態でも夫婦関係は続いているから、配偶者から生活費を請求されたら支払わなければいけないという事です。
 このことを婚姻費用の分担請求といいます。
 婚姻費用の分担請求の支払い開始時期は、原則、婚姻費用分担請求時点からとされています。もちろん、別居時にさかのぼっての請求も可能ですが、なかなか認められにくいのが現状です。
 原則、分担額を協議で決めますが、協議できないときは家裁の調停に申し立てます。さらに調停が不成立に終わったら、自動的に審判に移行し、なんらか(支払いに向けて)の処置が執られます。

婚姻費用分担の請求方法

【方法】
  • (1) 原則的に、お互いの収入や財産,子どもにかかる教育費の額などを考慮し
  • て協議決定。
  • (2) 協議できない又は協議が整わないときは、相手の住所地を管轄する家庭裁判
  • 所に婚姻費用分担の調停・審判を申し立てる。
  • (3) 調停で、双方負担する婚姻費用額は合意が必要で、合意できないときは自動的に審
  • 判に移行する。なんらか(支払いに向けて)の処置が執られます。
【要件】

 特に必要ないが、双方の合意が必要。

【調停申し立てに必要なもの】

 当事者の戸籍謄本、住民票、収入印紙と郵送代(合わせて2000円程度)

【メリット】
  • (1) 「履行勧告」「履行命令」「強制執行」が可能になる。
  • (2) 離婚原因を作った側からでも申し立ては可能。
【デメリット】
  • (1) 必ずしも、別居時からの生活費が認められるとは限らない。(※最初の請求時から認められる事が多い)
  • (2) 調停の長期化による生活費の困窮の可能性。(※中間合意という手もある)
  • (3) 自分が愛人の元へ行くために別居した場合は、認められない。
  • (4) とにかく合意を得るために、自分に不利な条件でも飲む場合がある。

婚姻費用の分担額算定方法

 婚姻費用の分担額について双方の合意が難しい場合、合理的な算定基準が必要です。家庭裁判所では、双方の「基礎収入」を基準とした標準算定方式を用い、義務者が権利者に支払う婚姻費用の額を決める方法がとられています。
近年では、婚姻費用分担額の算定の簡易迅速化のために東京と大阪の裁判官らで構成する「養育費算定表」(東京家庭裁判所HP参照)が考案した新たな算定方式が採用されています。

 

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